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郵政民営化は根本から見直さないと国家崩壊の引き金になる
今から思えば、2004年、あるいは2005年当時、どの政治家が郵政民営化の危険性や、国民を毀損するその悪質なペテン性を語っていたか、思い出す。かなりヘビーに指摘していたのは荒井広幸議員だった。2005年9月11日総選挙直前に、荒井氏がテレビのインタビューやニュース番組に呼ばれた時、彼が最も言いたかった内容を喋らせてもらえなかった場面は、今も印象に強い。彼も徹底的にピエロ扱いを受けていた。唯一、小泉バンザイで電波太鼓もちの山本一太議員だけが、異常な憎悪を荒井議員に向けていた。
実は、荒井氏は当時、郵政民営化の危険性を真っ向から俎上に上げていた。テレビや新聞等の大手メディアが相当要注意人物にしていたようだった。当時、荒井広幸氏や小林興起氏に、郵政民営化の問題点を思う存分テレビや新聞が伝えていたなら、あの選挙の結果は違っていたと思う。悪徳ペンタゴンのメディア戦略がいかに凄まじかったか、それがいかに奏功したか、当時の報道状況を思い起こせば戦慄が走る。
荒井氏は郵政民営化の危険性について、二つの大きな懸念から説明していた。一つはユニバーサル・サービス低下や地方局存続問題など、地域インフラ崩壊の心配、もう一つは郵政が保有する350兆円の郵貯・簡保資金の市場への露出が外資の格好のエサになる危惧である。テレビや新聞が徹底して討論させたのは、地域インフラとしての郵政民営化であった。それはテクニカルタームとしての話であり、充分本質的な論議がなされたとは思えないが、とにかく郵政問題を地域サービスの問題に矮小化していることが露骨に見えていた。
荒井氏はこの時点で本質的な問題点を提起していた。郵政民営化にあたり、郵便貯金法と簡易保険法が廃止され、郵貯は銀行法に、簡保は保険業法に組み込まれることは、郵貯・簡保資金を米国に差し向けることだと断言している。郵政事業の適用法律体系の変更、竹中平蔵氏はこれを「イコール・フッティング」だと言っていたが、これこそが年次改革要望書に謳われるアメリカの本音であった。三事業一体とは、具体的には郵貯、簡保、郵便という三事業が会計的に有機的に接続・連携していることである。四分社化とは、その一体化会計が各自独立することによって、バラバラに完全分離することである。
(A)ここで、経済に詳しくない私のような者でも容易に想像できることがある。三種類の異業種が互いに歩み寄って、一つ屋根の下で協働して事業活動をしていた。彼らはそれぞれに会計をオープンにして一体化し、三事業一体会計でひとつの営利活動を行い、それぞれが補完的に助け合うことで全体としてよい営業活動が行われていた。当然株式の持ち合いもしっかりと組み込まれていた。会計の一体化と株式の持ち合いがあるところに、外部の会社は乗っ取りを企んでも入り込むことはできない。
(B)郵政民営化論者は言う。郵便事業、郵便貯金事業、簡易保険事業という、いわゆる郵政三事業の一体化が非効率で肥大化し、民業(銀行、保険会社、宅配業者?)を圧迫するなどの弊害もあり、将来的には経営が行き詰る可能性が高い。だから今のうちに国営の郵政事業を民営化してダウンサイジングを行い、同時に膨大な郵政資金を市場経済にゆだねることで、経営的フットワークを軽快にする。
もうおわかりだろうが、(A)は郵政民営化に懸念を持つ者の基礎認識であり、(B)は郵政民営化推進論者の民営化理由である。問題は郵政民営化を論じるなら、この両者を両論併記によって、等分に論じるべきであるが、小泉氏や竹中氏が主導し、メディアが報道した郵政民営化は、いきなり(B)の論法を強調して、(A)の懸念を徹底的に封印していたのだ。この非対称性は現在も継続しており、彼ら民営化推進派は、「かんぽの宿」問題を一貫して追及し続けている鳩山総務相の言動に、日毎に神経を尖らせている。
その理由は、今まで国民を洗脳して郵政民営化の真の目的を封印してきたが、ここに至って、麻生首相の「四分社化見直し」不規則発言や、鳩山総務相の「かんぽの宿」一括譲渡問題の追及が、上記の(A)論理に国民の関心を向ける懸念を持っているからだ。特に鳩山総務相の果敢な追及姿勢は、悪徳ペンタゴンにとって、最も迷惑この上ないものになっている。今の事態は、郵政民営化の目的が、実は国益ではなく、米国国益を目的としたペテン的構造改悪であったことを、国民が気付いてしまう可能性を孕んでいるのだ。
郵政民営化問題の核心は、郵貯と簡保が蓄える膨大な国民財産が、外から入ってくる金融資本に対して安全かどうかである。メディアはこの部分が国民の関心を招かないように徹底的に誘導し、民営化の負の部分を封印してきたが、獅子身中の虫として、鳩山・麻生ラインが反乱を起こしたというのが、最近の自民党内で起きている際だった政治的現象なのである。参考までに中川秀直氏が今、どれほど慌てているかご覧になっていただきたい。 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090610/stt0906101013001-n1.htm
日本にはアメリカ合衆国のような国防的外資規制の法律が存在しない。つまり日本式エクソン・フロリオ条項が存在しないのである。だからこそ、上記に記した三事業一体化と株式の持合は、外側からの乗っ取り脅威に対して有効なのである。この部分で四分社化が如何に危険な形態かもうお分かりだろうと思う。
ふと思い出したが、中川昭一前大臣は、たしか、知財法に関してエクソンフロリオ条項の重要性を指摘していた数少ない政治家の一人である。当然中川氏は郵政民営化についても、その方面からの防衛意識はある御仁だと思う。
日本国民は、この辺で悪徳ペンタゴンの悪辣な姦計を見抜き、洗脳から覚醒して郵政民営化の巨大な詐術を見抜いて欲しいと思う。かんぽ生命とゆうちょ銀行の株式が上場される前に国民が真相に気付かないと、日本は本当に極貧三流国に転落してしまうのだ。
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